
普通に歩いても楽しい妻籠宿・馬籠宿のウォーキングだが、今回はいくつか工夫を凝らして、楽しみ倍増のガイド付きツアーを企画した。その工夫とは、南木曽駅から歩いて妻籠宿に入ること、そして妻籠宿の「脇本陣奥谷」と付属の資料館もコースに含めたことだ。地元ガイドと一緒に歩けば、マップを片手に歩いただけでは到底得られない満足感が得られるだろう。
南木曽駅を出て妻籠方面に向かうと、ほどなくしてこんな石畳の坂道に出会う。
1時間ほど山道を歩いて妻籠宿。車で到着するのでは味わえない「中山道を歩いて宿場に着く」感覚が得られる。
脇本陣奥谷。囲炉裏のある居間では、案内人の女性から楽しい説明が聞ける。併設されている資料館もおすすめだ。
生駒屋の前のアオギリの木。東南アジア原産の植物だが、木曽の中でも比較的温かい妻籠では何とか育っているようだ。この場所に植えられている様子は昭和初期の写真にも写っていて、大きさは当時の写真でも今とあまり変わらない。芯止めされているので高さが抑えられ、言ってみれば「大きめの盆栽」になっているのだ。妻籠宿のシンボル。
馬籠峠最大の難所、馬が登れない坂道。坂の中ほどに「牛頭観音像」がある。馬頭観音はどこにでもあるのだが、牛頭は非常に珍しい。急坂なので馬では登れず、牛を数頭繋いで重荷を運んだと言われる。そんな牛でも命を落とすことがあったので、鎮魂の意味で観音様を祀ったのだろう。
女滝(めだき)。本稿の末尾に載せたフォトギャラリーでは男滝(おだき)も見ることができる。
馬籠宿手前の坂道。ここを越えると、馬籠宿の外れにある展望台はすぐそこだ。
桜が散って、新鮮な緑が一斉に芽吹き、それでもまだ暑さは感じない。
最高の気候の中を歩いて中山道の良さを再認識した一日だった。